ジェネリック医薬品活用術
国民医療費が毎年増大するなか、医療費の抑制につながると期待されているのが「ジェネリック医薬品」。
新薬からジェネリック医薬品に変更することで、みなさんの家計にもやさしく、さらに医療費の節減にも大きな効果が期待できます。ジェネリック医薬品のメリットを正しく理解し、医療費の節減にご活用いただけるよう、ぜひ、ご一読ください。
ジェネリック医薬品ってどんな薬?
- ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、特許期間の切れた新薬と同じ有効成分・効き目・安全性を持った医薬品のことです。
- ジェネリック医薬品は、研究・開発費用が少なくてすむため、新薬よりも安価な価格で販売されています。
ジェネリック医薬品の有効性と安全性
- ジェネリック医薬品の有効成分は先発薬と同じです。
- 効き目と安全性については先発薬で保証済みです。
- 先発薬と異なる着色料や保存料が使用されることがあるが、安全性が確認されています。
ジェネリック医薬品に切り替えるメリット
- 薬代が安くなります!
新薬からジェネリック医薬品に変えると、窓口で支払う薬代を安くできます。かぜなど短期間しか服用しない薬ではさほど変わりませんが、脂質異常症や高血圧症、糖尿病といった慢性的な病気で、長期にわたり薬を服用する人の場合は、大きく薬代を減らすことができます。
薬代の計算は「GENERIC GUIDE(ジェネリック医薬品検索ジェネリックガイド)」をご覧ください。
新薬とジェネリック医薬品の比較
※金額は薬代のみの自己負担(3割負担の場合)
脂質異常症(代表的な薬を1日1回、1年間服用したと仮定)
新薬 10,370-ジェネリック医薬品 3,930円=差額 6,440円 - 雪の聖母会健康保険組合の負担も軽減されます。
普段飲んでいる薬をジェネリック医薬品に変更したらどのくらい安くなるのか、調べるには?
ジェネリックへ切り替える方法
まずは医師に聞いてみましょう
現在治療中の方で、ジェネリック医薬品に変更されていない場合は、医師に尋ねてみましょう。なかなか言いにくいかもしれませんが、「私もジェネリック医薬品を使えますか?」の一言で薬代が大幅に安くすむかもしれません。厚生労働省の働きかけもあり、ジェネリック医薬品の活用に積極的に取り組む医療機関が増えています。あまり難しく考えずに、気楽に尋ねてみましょう。
その後、説明をきちんと聞いて自分の判断で選択することができます。
処方せんの「変更不可」欄をチェック
従来の処方せんには「後発医薬品への変更がすべて不可の場合の署名」欄があり、複数の薬が処方されていて1つでも変更できない場合に医師の署名等があると、すべての薬がジェネリック医薬品に変更できませんでした。これが、2012年4月から薬ごとに変更の可否が示される様式に変わったため、よりジェネリック医薬品に変更しやすくなりました。
ただし、まだジェネリック医薬品のない新薬もあります。現在治療中で、院外処方の調剤薬局で薬を受け取っている方は、ジェネリック医薬品に変えられるものがあるかどうかを薬剤師に調べてもらうとよいでしょう。
医師は、病状が安定しているときは、それまで使っている新薬の方が効果があり、そのまま使ったほうがよいと考え、ジェネリック医薬品に変えることに慎重になる場合もあります。
そういうときは、処方せんの「変更不可」欄にチェック、または×を記入し、変更しないように薬剤師に指示します。そのような記入のない薬については、患者の意思でジェネリック医薬品に変更することができます。
注意点
- ジェネリック薬品の薬代が先発薬品と変わらない、又は、高いことが稀にあります。
- 「薬の溶け方が先発品と違う」ことや「薬の効果の出方が違う」ことにより「薬の効きすぎ」や「効果がでにくい」ことがあります。
新薬からジェネリック医薬品に変えると、窓口で支払う薬代を安くできます。かぜなど短期間しか服用しない薬ではさほど変わりませんが、脂質異常症や高血圧症、糖尿病といった慢性的な病気で、長期にわたり薬を服用する人の場合は、大きく薬代を減らすことができます。 - 医薬品の添加物が違うことで、外観、味覚、使用感が異なることがあります。
- 添加物が変わることでアレルギーを起こす等の副作用を起こすことがあります。
- 薬局に在庫がない等で、すぐに処方してもらえないことがあります。
- 全ての新薬にジェネリック薬品があるわけではありません。
ジェネリック医薬品を置いている薬局を探すには?
日本ジェネリック医薬品学会では、ジェネリック医薬品の品揃えが300種類以上ある薬局へは「Gold マーク」、患者さんからのジェネリック医薬品への変更依頼や、相談に積極的に応じる姿勢を示すことを宣言した薬局へは「Silver マーク」をそれぞれ配布しています。これらのマークを表示してある薬局に行ってみましょう。
「お試し切り替え」もできます
- いきなりジェネリック医薬品に切り替えるのは心配という人には、処方された日数を分割することができます。たとえば4週間分の薬のうち、まず1週間分だけ調剤してもらい、服用して問題がなければ残りの3週間分を調剤してもらうことができます(分割調剤)。
なお、この分割調剤をした場合には、薬局に「後発医薬品分割調剤料」を支払うことになっています。詳しくは薬剤師にご相談ください。
「ジェネリック医薬品お願いカード」を使ってみましょう!
医療機関で受診する際や薬局で処方してもらう際に資格情報や診察券などと一緒にこのカードを提示すれば、ジェネリック医薬品を処方してほしいという意思を簡単に伝えられます。
個人情報の取扱いについて
厚生労働省は、ジェネリック医薬品の普及促進に向けて、各医療保険の保険者に対し、お知らせの配布のような具体策をあげて積極的な取組を求めており、同省の「健康保険組合等における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」では、健康保険組合等が本人の同意を得ずにレセプト点検、医療費分析等を行うこと(業務委託も含む)が認められております。