家族を扶養に入れたい
子どもが産まれた、結婚した等でご家族を扶養に入れる場合には、当健保に手続き書類を提出する必要があります。
また、被扶養者(家族)になるためには、被保険者(本人)に生計を維持されていること等条件があります。
被保険者の保険料は、被扶養者の有無および人数に関係なく、被保険者の標準報酬によって決定します。被扶養者の方は保険料の負担の必要がありません。
しかし、健康保険組合の様々な給付を受けられます。これは健康保険組合の全被保険者から徴収する保険料から賄われることになります。
そのため、大切な保険料を使うためには、一定の条件が設けられています。
被扶養者になれる範囲
図1
被扶養者認定条件
被扶養者として認定されるには、3親等内の親族である方が(図1参照)、「主として被保険者に生計が維持されている」(健康保険法第3条7項)ことが条件です。
さらに、同居・別居により、条件が異なります。
※被扶養者として認定されていた方が、収入等状況が変わり、主として被保険者に生計維持されなくなった場合は、扶養をはずす手続が必要です。
被保険者と同居でも別居でもよい人
- 配偶者(内縁関係でもよい)
- 子、孫
- 父母等 直系尊属
被保険者と同居していなければならない人
- 上記以外の3親等内の親族(図1参照)
収入基準
申請日以降の未来の収入が基準を満たしているか判断します。このため、退職等の理由で扶養を追加したいといった場合、過去の収入が130万円を超えていたとしてもその実績から判断するのではなく、前年の収入を参考にしながら、申請時より先の1年間の見込み収入が基準を満たしているかで判断します。年収の起算日は、申請時となります。
同居の場合
- 年間収入が130万円未満※1であること(障がい者※2と60歳以上の方は、180万円未満)※3
- 被保険者の収入の2分の1未満であること
別居の場合
- 年間収入が130万円未満※1であること(障がい者※2と60歳以上の方は、180万円未満)※3
- 被保険者からの仕送り(送金)が収入より多いこと
※交通費等も含みます。
※1:月額換算にすると108,333円(障がい者と60歳以上の方は150,000円)未満
日額換算にすると3,612円(障がい者と60歳以上の方は5,000円)未満
※2:ここでいう「障がい者」とは、「厚生年金法に規定する障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障がい者」のことです。
※3:ただし、被保険者の父母を被扶養者とする場合、民法第752条の規定により、第一義的に父母夫婦間で生計を維持することが最優先されていることから、費目別、世帯人員別標準生計費に基づき、父母夫婦2人世帯の1ヶ月当たりの額を年間に換算した額(以下、「標準生計費」という。)未満であることが要件となります。(令和5年4月1日より)
なお、令和5年4月1日以降に認定する際の標準生計費は216万円となります。
今後の収入見込み額が、月換算した場合、108,333円以上(障がい者と60歳以上の方は150,000円以上)となる場合、扶養にはいることができません。
※被扶養者として認定されていた方が収入等状況が変わり、収入が認定基準の上限を超える場合は、扶養をはずす手続きが必要です。
被扶養者の収入とは
原則として以下のように継続的に生じる収入すべてを含みます。
- 給与収入(賞与・交通費等を含む総収入。パート・アルバイト含む)
- 事業収入(農業・林業・漁業含む)
- 公的年金(老齢・障がい・遺族年金や恩給 等)
- 雇用保険失業給付
- 投資収入
- 利子収入
- 印税収入
- 原稿料
- 講演料
- 不動産賃貸収入
- 傷病手当金、出産手当金
- 労災休業補償
- その他継続的に生じる収入すべて
雇用保険失業給付を受給予定の場合
退職後、失業給付受給開始までの待機期間は扶養に入ることができますが、上記収入基準の日額を超える失業給付を受給中は、扶養に入ることができません。
このような場合、受給開始時に扶養から外す手続きと国民健康保険への加入手続きをし、さらに、受給終了後に扶養に入る手続きを、すべてご本人様自身で行わなければなりません。
手続きが遅れると、無保険の期間ができ医療費が自費になる等の問題が発生しますので、期間を空けることなく忘れずに手続きをしましょう。
自営業者の扶養認定について
自営業者は、本来、国民健康保険に加入することが原則です。
しかし、特に扶養しなければならない状況等、証明を提出することで、被扶養者として認定する場合があります。
自営業者の収入は「総収入」から「必要経費」を引いた額となりますが、社会保険の収入の考え方は所得税法上の必要経費とは異なり、原材料費等(その経費がなければ事業が成り立たないと認められる経費)の最低限度のみが経費となりますので、ご注意ください。
なお、収入が認定基準内であっても人を雇用している場合は、扶養に入ることはできません。
子どもの扶養について
夫婦共働きの場合の子どもの扶養については、被扶養者の人数にかかわらず、以下のようになります。
- 原則、年間収入の多い人の被扶養者となります。
- 夫婦双方の年間収入が同程度の場合は、主として生計を維持する人の被扶養者となります。
被扶養者の国内居住要件(令和2年4月より)
日本国内に住所を有する者
原則として住民票の有無(住民基本台帳に住民登録されているか)によって判断されます。
日本国内に住所を有しないが日本国内に生活の基礎があると認められる者
これまで日本で生活しており、渡航目的に照らし、今後も再び日本で生活する可能性が高いと認められ、かつ渡航目的が就労ではない者の場合、日本に住所(住民票)がなくても例外として国内居住要件を満たしていると判断されます。
【例外として認められる事由と確認書類の例】
例外として認められる事由 | 確認書類 |
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①外国において留学をする学生 | ビザ、学生証、在学証明書、入学証明書等の写し |
②外国に赴任する被保険者に同行する者 | ビザ(原則、家族帯同ビザ)、海外赴任辞令、海外の公的機関が発行する居住証明書等の写し |
③就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者 (観光、保養又はボランティア活動等) |
ビザ、ボランティア派遣機関の証明、ボランティアの参加同意書等の写し |
④被保険者の海外赴任中に出産・婚姻等で身分関係が生じた者であって②と同等と認められる者 | 出生や婚姻等を証明する書類等の写し |
提出書類
- 被扶養者(異動)届
- 被扶養者の認定申請に必要な添付書類一覧
資格取得時の扶養申請は5日以内に、被保険者資格がある方の扶養増減はすみやかに提出してください。
被扶養者の異動(変更)があったら
結婚や出産などにより被扶養者が増えたときや、就職や別居、死亡等で、それまで被扶養者に認定されていた家族が被扶養者の認定基準を満たさなくなった場合は手続きが必要です。
なお、当健保では毎年、被扶養者の資格を確認するための検認を行っています。